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能代落合風力発電設備 PHOTOGRAPHY
2002/11/16撮影
この風力発電設備は、今まで見てきた企業や自治体、NPOが建設した設備ではなく、エネルコンの輸入元である日立製作所が独自に建設した設備である。現場事務所の方からお聞きした話によると、関東圏で風力発電設備の建設を計画していた企業向けに先行発注をしていた風車が、計画の中止を受け宙に浮いた状態となり、苦肉の策として今回の独自建設に至ったとの事であった。日本に輸入され2年間程眠っていたそうで、その勇士を能代で見せてくれる事となった。場所は能代市内から国道101号を北上し、米代川を渡った左手の海岸線であり、橋の上からもその勇士は確認出来る。

機種はENERCON社製600kW機が2台で、能代市浅内で稼動する同600kW機の
前の機種となる。個人的にはこっちのナセル形状の方が同期機らしく好きである。


見えづらいが、現場北側には世界遺産の白神山地が広がる好ロケーション。

風車内の配線工事は終わっているようだが、配電線系統の工事が終わっておらず
ディーゼル発電機から電源を供給され、風車単独での調整が進められていた。


タワー内の制御盤から手動操作にて、ヨー制御及びピッチ制御のデモもやって頂き
ピッチ角の可変に応じてブレードの回転数が変化する様子を見せて頂いた。
お忙しいところ私のような冷やかしにお付き合い頂き誠にありがとうございました。


以前からナセル下部にある足場は展望用と思っていたが、この機種の時代はヨー用ベアリングの構造上
タワーからナセル内に入り込む事は出来ず、一旦タワーから外に出てナセル後部よりよじ登らなければ
ならないのだそうだ。現行機では改良されその必要はないとの事でしたが、俺には絶対登れません。


同期機のタワー進入ははじめてであり貴重な経験となったが、印象としてはナセル内部では増速機もなく
ピッチ制御及びヨー制御は電動モーター、油圧装置はディスクブレーキのみと非常に簡単な構造である。
タワー下部は、出入口を入ったところに制御盤類が並び、その下に高圧トランスが配置されていた。
この制御部では、AC400Vでナセルから下りてきた電気を一旦DCに変換し、インバータ及び
高圧トランスにてAC6,600Vまで昇圧し、系統連係となる。インバータ部に使用される基盤類は
汎用品流用はなく、全てエネルコン独自開発の基盤との事でドイツ人の気質が伺える。


東北電力高圧配電線系統と接続される連係盤

いっぱい発電して2年間のブランクを埋めるんだよ。

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