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仁賀保高原風力発電所火災事故写真  2003年10月1日
事故発生から2日目の10月1日。早速現場に出掛けてみた。被害を受けた発電機は、本サイトの中心部に位置し、出火から4時間でナセルとブレード1枚を焼損していた。出火原因は現在調査中との事であるが、周辺住民の話しによると、本サイト周辺は雷の通り道であり、事故当日も雷を伴った強い風雨が降っていたとの事から、落雷による事故の可能性が強いと想定される。事故機の直ぐ脇を通る道路上には、ナセル・ブレードの燃えカスが散乱していた事から、昨日30日は通行止めされていたようだが、昨日中に清掃を終え、本日は通行可能であった。

FRP製のナセルは全て焼け、内部の発電機・昇圧トランスがむき出しの状態である。
3本のブレードの内1本は、付け根から中心部にかけて裂け地面に落下していた。
雷電流がブレード先端からナセル側に流れた事により、破断したものと想定される。


青森の焼損事故ではナセルから出火した火がブレードにも延焼し、ブレードが地上に落下する
事態となったが、今回は幸いにも4時間程で鎮火した事から、辛うじて風車の原型は止めている。



周辺から集められた燃えカスと破断・焼損したブレードの一部

溶けたFRPなのか油圧装置のオイルなのか不明だが
液体状のものがタワーを伝った痕跡がある。


タワー中心部に内部からのものと思われる焼け跡がある。
さすがにタワー内部への潜入は出来なかったが、仮に落雷による被害だとすると
ナセルからタワー下部へ伸びる高圧送電ケーブルや、接地極へ雷電流を流す
アース線が瞬時に焼損し、整流器・インバータ類をコントロールする制御系にも
ダメージが及んでいる可能性が高い。


今回風車の事故を初めて目にしたが、その哀れな姿に言葉を無くしてしまいました。
風車マニアとして、一日も早い復旧を願わずにはいられません。


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