風力発電の原理 風力発電とは、風のもつ運動エネルギーをプロペラ等の風車に与えて、回転運動の機械エネルギーに変換し、これを風車と直結した発電機により電気エネルギーに変換するものである。 発電機には誘導機や同期機が使用される。発生した電気は、風速により大きく変動するため、インバータやコンバータ等から構成される電力変換装置を用い、安定した周波数の電力を供給する。 風車の種類としては、水平軸のプロペラ風車や垂直軸のサボニウス風車、ダリウス風車等が使用されるが、日本ではプロペラ風車が主流である。 風力発電システムの出力 風車の出力P【W】は、空気密度をp【kg/m3】、風車の回転面積をA【m2】、風速をv【m/s】、総合効率をnとすれば、次式のとおりである。 P=1/2pAv3n 【W】 …出力=1/2×空気密度×回転面積×風速の3乗×総合効率
つまり、出力は風速の3乗に比例する事から、少しでも風が強い方が高出力となり、更に風を受ける羽(ブレード)の面積が大きく、空気密度が重い方がより有利であると言える。総合効率は概ね0.1〜0.3程度である。 定格発電量に対する発電電力量の比を設備利用率と言い、設置場所の風況状況を知る上での一つの指標となる。一般的に設備利用率は、冬季に高くなり夏季に低くなる傾向にある。 風力発電の特徴 @長所 エネルギーである風は枯渇の心配がない。 大気汚染物質(NOx,co2等)を排出しない。 A短所 単機出力が小さい。(最大級でも2000kW弱程度) 気象条件(風向、風速)の影響を受けるため出力が不安定である。 年平均風速5m/s程度を必要とするため、立地点に制約がある。 風車システムの機械的な騒音、ブレードからの空力騒音への対策が必要である。 ※電気計算2003/4号より部分抜粋 |